フラジール(メトロニダゾール)
フラジールは嫌気性菌と原虫に活性を持つニトロイミダゾール系抗菌薬メトロニダゾールの先発品名です。トリコモナス症、細菌性腟症、ジアルジア症、アメーバ症、C. difficile感染症、嫌気性菌感染症に用いられます。200mg、400mg、500mgの錠剤があります。
- 有効成分
- Metronidazole
- 製造販売会社
- Pfizer
- 剤形
- tablet
- カテゴリ
- 抗生物質
What is it?
フラジールは1960年に導入され1963年にFDAで承認された経口ニトロイミダゾール系抗菌薬メトロニダゾールの先発品名です。米国ではサール社、ファルマシア社を経てファイザーが商標を保有し、欧州ではサノフィが販売しています。日本では塩野義製薬が「フラジール内服錠250mg」として販売しており、同じ名称で腟錠もあります。嫌気性菌と原虫の双方に同等に有効な数少ない抗菌薬であり、適応症が幅広いのはそのためです。メトロニダゾールはWHO必須医薬品リストに収載されています。
有効成分
フラジールの各錠剤には有効成分としてメトロニダゾールが含まれ、英国や欧州の多くでは200mgと400mg、米国やフランスでは250mgと500mgの錠剤が流通しています。日本の内服錠は250mgです。メトロニダゾールはプロドラッグで、嫌気性菌や原虫の内部で低い酸化還元電位を持つタンパク質によりニトロ基が還元され、DNA鎖を切断して複製を停止させる短寿命のラジカルを生成します。好気性細胞ではこの還元が起こらないため、酸素依存性の組織や正常な腸内細菌叢の大部分は温存されます。
Forms and dosages
フラジールはフィルムコーティング錠として供給され、国によっては同じブランドで経口懸濁液、点滴静注液、腟ゲル、外用クリームもあります。嫌気性菌感染症に対する成人の一般的な用法は400mgまたは500mgを8〜12時間ごとに7〜10日間投与します。トリコモナス症には2g単回投与または400〜500mgを1日2回7日間、細菌性腟症には400〜500mgを1日2回7日間が承認されています。日本では1回250mgを1日3〜4回が標準です。悪心を抑えるため食中または食後に服用します。神経障害のリスクがあるため、10日を超える治療は医師の再評価が必要です。
適応
フラジールは、パートナー双方の腟トリコモナス感染症、細菌性腟症、ジアルジア症、腸管および肝アメーバ症、ならびに腹部、骨盤、骨、脳、軟部組織の嫌気性菌感染症に適応があります。ヘリコバクター・ピロリ除菌の多剤併用療法(日本では二次除菌)に含まれ、Clostridioides difficile感染症の選択肢でもありますが、現行ガイドラインは多くの症例でバンコマイシンまたはフィダキソマイシンを優先しています。大腸手術の周術期予防や歯科・歯周感染症も承認された用途です。添付文書によれば、確定または強く疑われる嫌気性菌症あるいは原虫症に限って使用すべきです。
作用機序
メトロニダゾールは細菌や原虫の細胞内に自由に拡散します。嫌気的代謝を行う微生物では、フェレドキシンなどの電子伝達体がニトロ基を還元し、生じたニトロソおよびヒドロキシルアミンラジカルがDNAに結合して鎖切断とらせん構造の消失を引き起こし、細胞を死滅させます。還元が微生物自身のエネルギー代謝と共役しているため、作用は単なる増殖抑制ではなく殺菌的です。経口バイオアベイラビリティはほぼ100%、半減期は約8時間で、膿瘍、胆汁、脳脊髄液、腟分泌物で治療濃度に達するため、深部感染症にも用いられます。
よくある質問
フラジール服用中にアルコールを飲んではいけないのはなぜですか? ▾
メトロニダゾールはアルコールとジスルフィラム様反応を起こすことがあります。顔面紅潮、頭痛、悪心、嘔吐、腹部けいれん、動悸などです。咳止めシロップや洗口液に含まれる少量のアルコールでも報告があります。添付文書によれば、治療中および最終服用後少なくとも48時間はアルコールを避けるべきです。誤って飲酒して体調が悪い場合は、医師または薬剤師に連絡してください。
フラジールによる金属味は何を意味しますか? ▾
金属味や苦味はメトロニダゾールの最も一般的な副作用の一つで、害の兆候ではありません。薬物とその代謝物が唾液中に分泌されるために生じます。食事と一緒に服用する、シュガーレスガムを噛む、口をすすぐといった方法で和らぎ、服用終了後数日で消えます。尿が濃い色や赤褐色になることも、知っておくとよい無害な現象です。
細菌性腟症やトリコモナス症にフラジールはどのくらいで効きますか? ▾
細菌性腟症の症状は通常2〜3日で改善し、トリコモナス症は2g単回投与または7日間投与で90%以上の患者が治癒します。添付文書によれば、症状が早く消えても処方された期間を最後まで服用すべきです。トリコモナス症では再感染を防ぐため性パートナーも同時に治療し、双方が治療を終えるまで性交渉を控える必要があります。
フラジールは神経障害を起こしますか? ▾
末梢神経障害(手足のしびれ、ちくちく感、灼熱感)や、まれにめまい、運動失調、けいれんなどの中枢症状が起こることがあり、ほとんどは長期または反復する高用量投与で生じます。標準的な7〜10日間の投与ではリスクは低いとされています。添付文書によれば、しびれやちくちく感が現れたら服用を中止して医師に相談すべきで、多くは中止後に改善しますが回復に時間がかかることがあります。
妊娠中や授乳中にフラジールを使えますか? ▾
メトロニダゾールは胎盤を通過します。大規模な観察研究で先天異常の増加は示されておらず、妊娠中の細菌性腟症やトリコモナス症に広く使われていますが、妊娠初期の2g単回投与は避ける処方医が多くいます。母乳に移行して苦味を与えることがあり、一部のガイドラインは高用量単回投与後12〜24時間の授乳中断を勧めています。医師や助産師と相談して判断してください。
フラジールは他の薬と相互作用しますか? ▾
メトロニダゾールはワルファリンの代謝を阻害してINRを大きく上昇させることがあるため、抗凝固療法中の患者はより頻繁なモニタリングが必要です。リチウムやブスルファンの血中濃度も上昇させ、精神病様反応のリスクからジスルフィラムとの併用は禁忌です。フェノバルビタールなどの酵素誘導薬はメトロニダゾール濃度を低下させます。治療開始前に、市販薬やサプリメントを含むすべての薬を医師に伝えてください。
関連医薬品
出典
このページは Metronidazole の公式な添付文書をもとに作成しています。以下のリンクは各登録機関でその有効成分を検索する画面を開くため、保存された写しではなく常に最新の添付文書に到達できます。
本ウェブサイトの情報は参考および教育目的のみで提供されます。資格を有する医療従事者への相談に代わるものではありません。