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鎮痛剤

ボルタレンゲル(ジクロフェナク)

ボルタレンゲルは、痛む関節の皮膚に塗るジクロフェナク1%の外用ゲルです。日本では医療用のボルタレンゲル1%と、ヘイリオンが販売する市販のボルタレンEXゲルがあります。膝や手の変形性関節症の痛み、捻挫、打撲の緩和に使われ、海外では2%製剤も販売されています。

編集 編集チーム 最終更新
Voltaren Gel (Diclofenac) 1% gel — medication photoVoltaren Gel
有効成分
Diclofenac
製造販売会社
Haleon
剤形
gel
規格
1% 2%
カテゴリ
鎮痛剤

What is it?

ボルタレンゲルは、ジクロフェナク1%を含む外用ゲルの製品名で、飲むのではなく痛みのある関節の上の皮膚に塗って使う非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)です。ノバルティスが開発し、現在は2022年にGSKコンシューマーヘルスケアから独立したヘイリオンが海外で販売しています。日本では、処方せんが必要な医療用医薬品のボルタレンゲル1%と、薬局で購入できる第2類医薬品のボルタレンEXゲルの2系統があります。米国では2007年から処方薬でしたが、2020年2月にFDAが市販化を承認し、欧州ではボルタレンエマルゲルとして1%に加えて2%製剤も流通しています。

有効成分

海外のボルタレンゲル1gにはジクロフェナクジエチルアミン11.6mg(ジクロフェナクナトリウム10mg、1%相当)が含まれ、2%製剤では1gあたり23.2mgです。日本の医療用ボルタレンゲル1%と市販のボルタレンEXゲルは、有効成分としてジクロフェナクナトリウムを1%配合しています。ジクロフェナクはフェニル酢酸系NSAIDで、シクロオキシゲナーゼCOX-1およびCOX-2を阻害し、炎症組織でのプロスタグランジン産生を抑えます。アルコールを含む水中油型の基剤が有効成分の皮膚透過を助け、関節とその周囲組織に高濃度で蓄積させます。塗布後の全身への吸収は同量を内服した場合の約6%にとどまるため、錠剤に比べて胃腸や心血管系への影響が少ないのが特徴です。

Forms and dosages

海外のボルタレンゲルは50g、100g、150gのチューブで供給され、米国製品には2gと4gの目盛りを印刷した計量カードが同梱されています。手、手首、肘には1回2g(1関節あたり1日最大8g)、膝、足首、足には1回4g(1関節あたり1日最大16g)を1日4回塗り、全体で1日32gを超えないようにします。日本の医療用ボルタレンゲル1%は25gと50gのチューブがあり、添付文書では1日3~4回適量を患部に塗擦することになっています。市販のボルタレンEXゲルも15歳以上で1日3~4回が目安です。清潔で傷のない皮膚にやさしくすり込み、手が患部でなければ塗った後に手を洗ってください。2%製剤は1日2回です。密閉包帯や温熱パッドで覆わないでください。

適応

ボルタレンゲルは、皮膚に近い関節、主に膝、手、手首、肘、足首、足の変形性関節症の痛みの緩和に用いられます。また、捻挫、筋肉の挫傷、打撲などの急性の軟部組織損傷や、腱鞘炎、滑液包炎などの局所的な軟部組織リウマチにも適応があります。日本の医療用ボルタレンゲル1%の効能は、変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛の鎮痛・消炎です。脊椎や股関節のように深い位置にある関節では効果が証明されていません。市販薬の場合、添付文書では医師の指示なく3週間を超えて使わないこととされ、痛みが続く、あるいは悪化する場合は受診が必要です。

作用機序

ジクロフェナクは皮膚を通過して塗布部位の関節の滑膜組織と滑液に蓄積し、COX-2を阻害して痛み、腫れ、こわばりを引き起こすプロスタグランジンを減らします。局所組織中の濃度は血漿中濃度の数十倍に達するため、全身への負担をほとんどかけずに必要な場所で鎮痛効果が得られます。捻挫の痛みは数時間以内に和らぎ始めることがありますが、臨床試験によれば変形性関節症の痛みは1日3~4回の定期的な使用を始めてから最初の1週間かけて徐々に改善します。少量とはいえジクロフェナクは血流に入るため、心臓、腎臓、胃腸に関するNSAIDのクラス警告は、特に長期使用の場合には引き続き当てはまります。

よくある質問

ボルタレンゲルは処方せんなしで買えますか? ▾

日本では製品によって異なります。医療用のボルタレンゲル1%は処方せんが必要ですが、同じ1%濃度のジクロフェナクナトリウムを配合した市販のボルタレンEXゲルは第2類医薬品として薬局やドラッグストアで購入できます。米国では1%ゲルが2007年から処方薬でしたが、2020年2月にFDAが市販薬への切り替えを承認し、現在はボルタレン・アースライティス・ペインの名称で販売されています。欧州では2%製剤が国によって市販薬または処方薬となっています。ご自身の症状に合うか、飲んでいる薬と併用できるかは薬剤師に確認してください。

ボルタレンゲルはどのくらいの量を、1日何回塗ればよいですか? ▾

患部の大きさに応じて、さくらんぼからくるみ大(2~4g)を1日3~4回、時間をあけて塗ります。計量カードが付属している場合は、手、手首、肘には2gの目盛り、膝、足首、足には4gの目盛りに合わせて絞り出してください。1日の総使用量は32gを超えないようにします。指示量より多く塗っても効果は増えず、体内への吸収量が増えるだけです。日本の医療用ボルタレンゲル1%と市販のボルタレンEXゲルも1日3~4回が目安です。2%製剤は1日2回で済みます。3週間を超えて使用が必要な場合は医師に相談してください。

イブプロフェンなどの飲む鎮痛薬と一緒に使ってもよいですか? ▾

医師や薬剤師に相談せずに併用しないでください。塗った量のわずか数パーセントしか血液に吸収されませんが、すでに錠剤として服用しているジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、アスピリンに上乗せされ、胃腸出血、腎臓への負担、心血管イベントのリスクを高めます。同じ部位に別のNSAID外用薬を重ねて塗るのも同様です。心臓保護目的の低用量アスピリンは通常問題ありませんが、薬剤師に確認することをおすすめします。

ボルタレンゲルを塗ってはいけない部位はありますか? ▾

目、鼻、口、陰部などの粘膜には触れないようにし、切り傷、すり傷、湿疹、感染した皮膚、開いた傷には絶対に塗らないでください。傷んだ皮膚では吸収と刺激の両方が強くなります。腰、首、股関節、肩は効果が証明されていないため使用しません。塗った部位を密閉包帯や温熱パッドで覆わず、ジクロフェナクは光線過敏症を起こすことがあるため直射日光や日焼けマシンを避けてください。手が患部でない限り、塗った後は手を洗いましょう。

ボルタレンゲルの使用を避けるべき人、事前に医師に相談すべき人は? ▾

アスピリンや他のNSAIDを服用した後に喘息、じんましん、アレルギー反応が出たことがある方は使用しないでください。妊娠後期(最後の3か月)は禁忌で、それ以前の時期や授乳中は医師の助言がある場合にのみ使用します。心臓病、高血圧、腎臓病、胃潰瘍の既往がある方、最近心臓バイパス手術を受けた方は、吸収量が少なくてもNSAIDのクラス警告が当てはまるため、使用前に医師に相談してください。市販のボルタレンEXゲルは15歳未満には使用できません。

ボルタレンゲルの効果が出るまでどのくらいかかりますか? ▾

捻挫、筋肉の挫傷、打撲では、多くの方が最初の数時間で痛みが和らぐのを感じ、2~3日ではっきりした改善がみられます。変形性関節症の痛みはより緩やかに反応します。米国承認の根拠となった臨床試験によれば、効果は1日3~4回の定期的な塗布を始めてから最初の1週間かけて積み上がるため、痛みが強いときだけ塗るのではなく継続して使うことが大切です。7日たっても改善しない場合や、関節が赤くなる、熱をもつ、腫れるといった場合は使用を中止して受診してください。

関連医薬品

出典

このページは Diclofenac の公式な添付文書をもとに作成しています。以下のリンクは各登録機関でその有効成分を検索する画面を開くため、保存された写しではなく常に最新の添付文書に到達できます。

本ウェブサイトの情報は参考および教育目的のみで提供されます。資格を有する医療従事者への相談に代わるものではありません。