ケフレックス(セファレキシン)
ケフレックスはイーライリリーが開発した経口第一世代セファロスポリン系抗生物質セファレキシンの先発品名です。皮膚・軟部組織、呼吸器、骨、尿路の感染症および中耳炎に用いられます。250mg、500mg、750mgのカプセルと経口懸濁液があります。
- 有効成分
- Cephalexin
- 製造販売会社
- Eli Lilly
- 剤形
- capsule , oral suspension
- カテゴリ
- 抗生物質
What is it?
ケフレックスは1971年にFDAで承認された経口第一世代セファロスポリン系抗生物質セファレキシンの先発品名で、イーライリリーが開発・発売しました。日本でもケフレックスの名称で承認されており、カプセルのほか小児用の顆粒やドライシロップが用いられ、各社のジェネリック(セファレキシン錠・カプセル)も広く処方されています。セファレキシンは世界で最も処方されている経口抗生物質の一つで、安価で安全性データが数十年にわたり蓄積されています。WHO必須医薬品リストに収載されています。
有効成分
ケフレックスの各カプセルには有効成分としてセファレキシン(一水和物)が250mg、500mgまたは750mg含まれ、経口懸濁液は調製後5mLあたり125mgまたは250mgを供給します。セファレキシンはβ-ラクタム系抗生物質で、細菌の細胞壁にあるペニシリン結合タンパクに結合してペプチドグリカン合成を停止させます。多くのレンサ球菌、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌、および大腸菌、プロテウス・ミラビリス、クレブシエラなど一部のグラム陰性菌に有効ですが、MRSA、腸球菌、緑膿菌には無効です。
Forms and dosages
ケフレックスは硬カプセル(250mg、500mg、750mg)と、カプセルを飲み込めない小児や成人向けの経口懸濁用散剤として供給されます。成人の通常用量は6時間ごとに250mgまたは12時間ごとに500mgで、重症感染症では6時間ごとに500mgに増量し、1日最大4gまでとされます。添付文書によれば、治療期間は通常7~14日間で、クレアチニンクリアランスが60mL/分未満の患者では減量が必要です。カプセルは食事の有無にかかわらず服用できます。
適応
ケフレックスは肺炎球菌および化膿レンサ球菌による呼吸器感染症、中耳炎、ブドウ球菌およびレンサ球菌による皮膚・軟部組織感染症、骨感染症、急性前立腺炎を含む泌尿生殖器感染症に承認されています。臨床では、β-ラクタム系が使用できる患者の単純性蜂窩織炎、伝染性膿痂疹、レンサ球菌性咽頭炎の第一選択薬であり、単純性膀胱炎にもよく用いられます。臨床ガイドラインによれば、起因菌が不明な場合は治療開始前に培養検査を検討し、48~72時間で改善がなければ医師が再評価すべきです。
作用機序
セファレキシンは殺菌性の抗生物質で、細菌細胞壁のペニシリン結合タンパクをアシル化し、ペプチドグリカン合成の最終段階である架橋反応を阻害します。弱くなった細胞壁は浸透圧に耐えられず、細菌は分裂中に溶菌します。セファレキシンは腸管から速やかにほぼ完全に吸収され、約1時間で最高血中濃度に達し、腎機能が正常な成人での半減期は約1時間です。未変化体のまま尿中に排泄されるため尿中濃度が高く、これが尿路感染症に有用な理由です。
よくある質問
ペニシリンアレルギーがあってもケフレックスを服用できますか? ▾
反応の種類によります。セファレキシンはペニシリンとβ-ラクタム環を共有しており、かつては交差アレルギーが約10%と推定されていましたが、近年の研究では実際のリスクは約1~3%とされています。ペニシリンに軽度で遅発性の発疹しか出なかった人は、多くの場合セファレキシンを安全に服用できます。一方、ペニシリンでアナフィラキシー、血管性浮腫、重症皮膚反応の既往がある人は、アレルギー専門医の評価なしにケフレックスを服用すべきではありません。過去の抗生物質への反応は必ず処方医に伝えてください。
ケフレックスはどのくらいで効き始めますか? ▾
セファレキシンは服用後約1時間で最高血中濃度に達し、多くの患者は48~72時間以内に発熱、痛み、発赤などの症状の改善を感じます。症状が早く治まっても処方された期間は飲み切る必要があります。早期に中止すると生き残った細菌が再び増殖し、耐性化を助長するためです。添付文書によれば、3日経っても改善がない場合、医師は診断を見直し別の抗生物質を検討すべきです。
ケフレックスの最も一般的な副作用は何ですか? ▾
最も多い副作用は下痢、悪心、腹部不快感、ときに嘔吐といった消化器症状です。腟カンジダ症や軽度の皮疹も報告されています。まれにセファレキシンはクロストリジオイデス・ディフィシル関連下痢症を引き起こすことがあり、治療中または治療終了後2か月以内に発現することがあります。腹痛を伴う激しい水様性下痢は直ちに医師に報告し、止瀉薬で自己治療してはいけません。
ケフレックス服用中にお酒を飲んでも大丈夫ですか? ▾
セファレキシンはセフォテタンなど一部のセファロスポリンで見られるジスルフィラム様反応を起こさないため、適度な飲酒が厳密に禁忌というわけではありません。ただしアルコールは悪心や胃の不調を悪化させ、回復を遅らせ、脱水を招くため、特に尿路感染症では不利に働きます。多くの医師は治療が終わり体調が戻るまで飲酒を控えるか制限するよう勧めています。
ケフレックスは他の薬と相互作用しますか? ▾
臨床的に重要な相互作用は多くありません。プロベネシドは腎排泄を減らしセファレキシンの血中濃度を上昇させます。メトホルミンとの併用でメトホルミン濃度がわずかに上昇することがあります。他の抗生物質と同様にセファレキシンはワルファリンの作用を増強する可能性があり、長期治療ではINRの確認が望まれます。経口避妊薬との意味のある相互作用はありませんが、下痢や嘔吐がピルの吸収を低下させることがあります。
妊娠中や授乳中にケフレックスを服用しても安全ですか? ▾
セファレキシンは妊娠中の使用経験が長く、妊婦の尿路感染症に対してよく選択される抗生物質の一つです。母乳へ移行する量はごくわずかで、授乳中も使用可能と考えられています。ただし妊娠中の他の薬と同様、臨床状況を把握している医師の処方がある場合にのみ服用してください。
関連医薬品
出典
このページは Cephalexin の公式な添付文書をもとに作成しています。以下のリンクは各登録機関でその有効成分を検索する画面を開くため、保存された写しではなく常に最新の添付文書に到達できます。
本ウェブサイトの情報は参考および教育目的のみで提供されます。資格を有する医療従事者への相談に代わるものではありません。